ラブレターを君へ


「よし。じゃあとりあえず、ほうきでサッと掃こうか」

「うん、そうだね」


ホームルームが終わって、放課後。
私は今、水原くんと教室で2人きりだ。


私たちは2人で黙々と、教室の床をほうきで掃いていく。


ああ、水原くんと2人きりだなんて、今日は特に緊張する…。



掃除をしている中、私はチラッと横目で水原くんを見る。


水原くんは、真剣な表情で掃除している。


…良かった。水原くん、いつも通りだ。


今日の休み時間も、こうやって掃除を始める前にも、特に何も言われなかったから、水原くんにあのラブレターを書いたのが私だって気づかれていないみたいだ。


はぁ、良かったぁ〜。


だったら私も、ひとまずラブレターのことは忘れて、掃除に専念しようかな。



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