初恋相手はゲイでした。
気づくと私は花壇などがある中庭まで走り続けていた。
もうお昼休みが終わり、中庭にいる学生たちも散らばっていく。
私も講義に出なくちゃ……
なのに足が動かない。
涙もとまらない。
私はその場にしゃがみ込む。
「~~~~っうっえぐっうぅ……」
この全身を隠すような服装も、長い前髪も、できるだけ人と関わらないようにしていたのも、全部自分を守る為だ。
人に裏切られるのが怖くて、なら信じないようにしようって思ってた。
けどメールがきたら喜ぶ自分もいた。
「…………私は最低だ」
「なにが最低なの?」
────気がつくと、しゃがんでいる私の目の前に誰かが立っていた。
見上げるとそこには……
「し、汐崎…せん…ぱい」