初恋相手はゲイでした。
「わ、私は……」
「コイツもこないだから温泉サークルのメンバーになったから」
汐崎先輩はそう女の子に話してくれた。
そして頭に少しだけ重量感がきたので触って確かめみると、隣にいる汐崎先輩の手だった。
私はすぐに触っていた手を離すが、目の前の女の子の視線が刺さりまくった。
「へーぇ…そうなんですかぁ。あなた…名前は?」
本人は笑顔のつもりなんだろうが目が全く笑っていない。
「木野下……このみ……1年です」
「このみちゃん……か。あたしも1年なの! 花澤紗羅(ハナザワ サラ)よ、仲良くしようね」
ぎゅううううっと花澤さんに前から抱きつかれ、全身鳥肌がたった。