初恋相手はゲイでした。
え? なに? なんで佐瀬先輩は笑ってるの?
二階堂先輩の爆笑とは違い恐怖を感じる笑い声に全身が固くなる。
「どういう……ことですか」
「嘘に決まってんじゃん。なーのーに、きみは居酒屋抜け出してこんなところまでノコノコと着いてきちゃって……はぁ、馬鹿だなぁ」
「わ…私帰ります!」
身の危険を感じて佐瀬先輩から離れようとする。
「帰すわけないじゃん」
「きゃああっ」
背後から腕を掴まれる。
抵抗も試みるが相手は男、力で敵うはずがない。
私の体はズルズルと引きずられ、暗くて人通りがない裏道に来させられた。