初恋相手はゲイでした。




「なにする気だ!」




私は敵意をむき出しにして佐瀬先輩に怒鳴り付ける。



からだはコンクリートの壁に押さえつけられ後ろも見れず身動きがとれない。




「実はもうひとつ、このみに嘘ついたんだよね」




「…………?」




「見かけない顔だって言ったのは嘘。きみのことは少し前から知っていたんだ」




「……な、んで」




「食堂だよ。最近二階堂たちと食べてるだろ」




「…………それがなんだって」




「片想いってのは本当だよ? 元カノにだけど。……オレさぁ、彼女を二階堂に取られたんだよ」


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