初恋相手はゲイでした。




「……嘘、二階堂先輩はそんなことしない」




そう言った瞬間、強引に頭も壁に打ち付けられた。




「嘘じゃねーよ。オレはあいつに二階堂が好きになったからって理由で振られたんだから」




「そんなのただの逆恨み──いっ」




容赦なく腕を捻られる。




「だからさぁ、二階堂に苦しんで貰うんだよ」




「……こんなことしても、二階堂先輩は苦しまない」




「はぁ? お昼一緒に食って、今日も居酒屋に来るまでいちゃついてたのにか? 付き合ってるんだろ? お前ら」




「……へ?」




「んで付き合ってるのを隠してるんだろ。だから好きな人ってのは、二階「違う!!!」」




佐瀬先輩が言い終わる前に私は叫んでいた。


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