初恋相手はゲイでした。




「……んで?」




「え?」




「なんで髪切ったの?」




唐突にそんなことを訊かれ、返答に困る。




「き…気分転換だ…」




「なんで急に?」




「……私、昨日…失恋したんだ」




「は?」




真広は驚きの表情を隠せない。




「好きな人ができて、振られた」




「…………そいつって、メールの人?」




「違う、その人の友達の人だ」




「──んだよそれ。だからって髪を切ることはないだろ」




「良いんだ。なんだか心も軽くなったような気がする」




「………………」




「真広?」




なんだか真広は酷く悲しそうな顔をしている。


< 75 / 79 >

この作品をシェア

pagetop