初恋相手はゲイでした。
「……んで?」
「え?」
「なんで髪切ったの?」
唐突にそんなことを訊かれ、返答に困る。
「き…気分転換だ…」
「なんで急に?」
「……私、昨日…失恋したんだ」
「は?」
真広は驚きの表情を隠せない。
「好きな人ができて、振られた」
「…………そいつって、メールの人?」
「違う、その人の友達の人だ」
「──んだよそれ。だからって髪を切ることはないだろ」
「良いんだ。なんだか心も軽くなったような気がする」
「………………」
「真広?」
なんだか真広は酷く悲しそうな顔をしている。