初恋相手はゲイでした。




「そんなに……似合わないか?」




「え?」




「私のこの髪型……」




「……違う。ただ……」




真広は自分の顔を私の首筋に埋めさせた。



なんだかくすぐったい。




「……ただ、このみの素顔を見れたのは他人でおれだけだったのに」




「真広……」




今考えると、私が家の外で前髪をあげたりとめたりすることを、真広は嫌がっていた。




「だけど…今のこのみは、かわいすぎて無理」




「ま……真広!」




まさか真広が私に向けて可愛いだなんて、嵐でも起きるのではないだろうか。




「あ~~~。ごめん、このみ。連れてきたのはおれなんだけど、今すぐ家帰って」




「……え」




私、なにか真広を怒らすことをしてしまったのだろうか。


< 76 / 79 >

この作品をシェア

pagetop