初恋相手はゲイでした。
「そんなに……似合わないか?」
「え?」
「私のこの髪型……」
「……違う。ただ……」
真広は自分の顔を私の首筋に埋めさせた。
なんだかくすぐったい。
「……ただ、このみの素顔を見れたのは他人でおれだけだったのに」
「真広……」
今考えると、私が家の外で前髪をあげたりとめたりすることを、真広は嫌がっていた。
「だけど…今のこのみは、かわいすぎて無理」
「ま……真広!」
まさか真広が私に向けて可愛いだなんて、嵐でも起きるのではないだろうか。
「あ~~~。ごめん、このみ。連れてきたのはおれなんだけど、今すぐ家帰って」
「……え」
私、なにか真広を怒らすことをしてしまったのだろうか。