ツンデレツン
入学式で
4月7日。
今日は高峯高校の入学式だった。
私は予定通りに家を出て学校に向かっていた。
視界に同級生がちらつく度に
ついつい顔をのぞき込んでしまう。
自分と同じ境遇の人がいるだけで
とても心強く思えた。
昨日と同じ桜の香りが
私の花をかすめる。
その時、とっさに背後から声をかけられた。
「さーちん、おっはよ!」
勢いよく背中を叩かれ
私は小さく声をもらした。
振り向けば見知った顔があるのだろうと
期待した私だったが、
どうやらそれは違うらしい。
人違いだろうか?
私がしばらく黙り込んでいると
呆れたように相手がため息混じりに
話を切り出した。