ツンデレツン
「さーちん、もしかしてアタシの事忘れた?」
呆れた風に言う彼女だが
ヘラヘラと笑っている。
彼女の言い方から察するに
私の知人なんだろうけど心当たりはない。
髪は染められたブラウン。
軽い感じのボブヘアーだった。
肌は地黒なのか日焼けなのか
焼けていて、目はパッチリと猫のようだ。
背中に背負った鞄からは
大量のキーホルダーが見え隠れしている。
「アタシだよ、アタシ!紅林 茜!」
「え、茜って......」
言われてからハッとした。
彼女は紅林 茜(くればやし あかね)。
中学時代の親友とも呼べる友達だった。
中学時代、茜は不登校だった私を
心配していてくれたのだ。
「うそ、茜!?本当に茜なのか!?」