ツンデレツン
てっきり大目玉を食らうと思っていた私は
予想外の返答に
拍子の抜けた声を出した。
相手も相手で「頑張れよ~」と
片手を挙げて踵を返している。
しばらくして彼の姿は
廊下の向こうに消えていった。
彼は、誰だったんだろう。
見た目からして教師ではなさそうだ。
見た目以前に慣れ慣れしいし
性格にも問題はありそうだったし。
あれは典型的な
「世間体で言うダメ人間」
の見本にふさわしい男。
ああいうダメ人間が学校にいると
ああいう人間にはなりたくない
と皆が思えるに違いない。
「.......で、誰だったんだ?」
最も気になる疑問を呟きながら
C組に向かった。
静かな廊下をしばらく歩くと
『1-C』と書かれた表札が
視界に入る。