ツンデレツン

「あ」




先生の気の抜けた間抜けな声が響いた。


何かを思い出したかのような顔をしている。


私を見ながら。




「あの......何でしょうか?」




恐る恐る訪ねたが、
クラス中の視線が自分に向けられていると
思うと体が硬直した。




「お前、どっかで見たと思ったら入学式ん時の」

「はッ!!」




感極まって変な声を出してしまい
クラス中から笑い声が溢れた。


みるみると顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。


......というか、このダメ人間教師はまったく!




「ご苦労だったじゃねーか。入学式サボるってのは大層な事じゃねーの」
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