ツンデレツン

「......仕方ないわよ」




お母さんの励ましの言葉も
あの時は苦痛に感じた。


誰がどれだけ同情したって
志望校には行けない。


そう思うだけで
もうどうでもよくなれた。


だから。


だから私は殻にこもった。


部屋の鍵を閉めた。


窓のカーテンを閉めた。


私は、引きこもりになった。


最初はドアを叩く親に罪悪感を
覚えたが、次第にそれは薄れていく。


時間というのはおかしいものなんだと
生まれて初めて分かった気がした。


そんな時だったんだ。


親さえがドアを叩くのを諦めたのに
まだ諦めていない奴がいた。


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