ボーイッシュな恋。
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こんにちは。
よかったらカットモデル
やっていただけませんか?
場所は…○○△△…
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あたしは自分のSNSに
友達と撮ったプリクラを
載せているのだが、
それに反応する美容師が多く
こんなメッセージは日常茶飯事。
(なーんだ…またか…)
「あーあ、せっかくのメッセージも
こんなのしかこないなんてね…」
誰もいない部屋に
独り言が響く。
髪型を見て反応する人は
少なくない。
友達やきょうだいと撮った
プリクラを見れば
誰でもわかるほどに
髪が短いのだから。
あたしは自分で髪を切っている。
中学生の頃からしていることだ。
髪にお金をかけたくないのと
美容師に下手に切られた記憶があり
大変な思いをしたからだ。
「あ…もうこんな時間か…」
スマートフォンのロック画面を見ると
17時をまわっていた。
「買い物行こう…」
買い物にスーパーに向かう。
実家にいる頃は
こんなに自分が家事が
出来るとは思っていなかった。
あたしの家族は
いわゆる大家族というやつで。
あたしの下に5人のきょうだいがいる。
父親があたしが小学4年生の頃に
病気になり、今は仕事をしていない。
母親も仕事をせずに
家事に追われる毎日で
生活保護を受けている状態だ。