あんたの心、全力奪取。
「なぁ、あいつって誰?」
あ。そういえば。
「いや。代瀬智癒って人なんだけど。」
輝が驚いた様子でこっちを見る。
「代瀬か。やっぱ、蓮も知ってんだ。」
輝の顔が少し冷静になった。
「やっぱり?」
「あぁ。あいつ、成績トップ、ルックスも良し。でも、女嫌いなんだよなぁー」
「……。」
そっか。だからあの時女の子を……。
「でも、なんであいつが?」
「え、や、何と無く?」
「へぇー。」
輝は横目で見てくる。
「……。もう9時時になるよ!お風呂入る時間でしょ?帰りなよ。」
「…….ん。」
輝は窓から自分の部屋へ帰って行った。
「ばいばい」
輝は私に背を向けて手を上げた。