あんたの心、全力奪取。
「私、風前樫絵の自信作です。宜しくお願いします!って、ぇ?」
「……ぅう。かぜっち。本当、感動だよぉー。」
衣が言う。
女の子が少々泣いている。
確かに、辛いなぁ。シカラ!
「で、王子の兄は代瀬君で、弟が津秋くんだから。」
「「は?」」
輝と私の声が重なった。
「「なんでこいつの「弟なんだよ!」「恋人なのよ!」」
輝とまた息が合う。
「決めたものは仕方ない!」
な、なんでよ。最悪!!
横目でチラッと見ると、目が合った。
「役決め終わって、やる事おわったよね?私、ちょっと用事思い出した。だから帰る。明日ね!」
「バイバーイ」
私はダッシュで逃げた。