あんたの心、全力奪取。
「……。」
いつもなら怒るけど……。
怒りたいけど、怒れないよ。
ドキドキしてるから。
顔に熱が帯びる。
「そんな顔すんなよ。」
「……!! 離してよー!」
必死であいつの胸を思いっきり押した。
「そんなんじゃ離れねーよ。」
笑ながら私を真剣な顔で見る。
「意地悪っ!」
「………。」
智癒がポカンとしてる間に私は智癒から
離れた。
「…あ、ありがとう。」
私は頬を赤くして必死で言った。
「あぁ。」
私は智癒に心から感謝した。