姫は永遠の眠りについた。
 ラッキーを家族にすると言ったのは、私だ。ペットショップのケージに入っている彼女の毛並みの美しさに、私は一目惚れをしたのだ。

 母さんと、当時生きていたおじいちゃんに、がんばって世話をするから飼いたい……と、土下座をした。

 最初は「うーん」と唸っていた母さんとおじいちゃんは、最終的に飼ってもいいと許可をくれた。

 今から再びペットショップに行くけれど、もう誰かに飼われていないかな。大丈夫かな。そんな心配を胸に、私は家族と一緒にペットショップへと向かった。

 ペットショップに行くと、彼女はいた。綺麗なブルーの瞳をキラキラと輝かせながら、しっぽを振りながら、まるで私が再び来るのを待っていたかのように、嬉しそうにケージの中にいた。

 でも、もう彼女が綺麗なブルーの瞳を輝かせることはない。しっぽを振ることもない。鳴くこともない。擦り寄ってくることもない。目覚めることもない。息をすることもない。

 今日の朝、眠るように、静かに息を引き取った。

 ……息を、引き取ったんだ。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop