あかいもの。



「おーついた。」





大地が少し嬉しそうに呟く。







きっと大地の事だから歩くのが面倒だったに違いない。






桜並木の先にあったのはあたしたちの高校。





「さーてと、行きますか。」







門付近には誰も人がいない。






…も、もしかしてあたしのせいで遅刻!?







「み、みんな急ごう!!


あ、あたしは先に行くよ。」






そう言い残してあたしは靴箱へ一直線に走って行った。





あたしのせいとは言え、遅刻はごめんだ。



担任に怒鳴られてしまう。












『波瑠ー待てやー!!』











そんな声がしたのは、きっと気のせい。








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