あかいもの。
「新入生、退場。」
たくさんの拍手に包まれ、新入生が退場をする。
校長の話が終わったあと、在校生代表祝辞を述べたのは、なんと冬也で。
そんなこと一言も言っていなかったから、とてもびっくり。
「さて、帰るぞ。」
そう言って立ち上がる大地。
まだ、何の指示も出ていないんだけどな。
行っちゃっていいんだろうか。
行っちゃって…いいか。
「待って、大地。」
後を追いかけるあたしに奈津と明希も続く。
「あ、ちょい待て、お前ら!!」
その後ろから冬也が追いかけてくる。
あーあ。
これでみんなサボりになっちゃうじゃん。
「後片付けはまかせたー」
大地が大きな声でそう言った。