あかいもの。
「なんか、俺だけクラスひとり寂しい。」
その日の下校中、ボソッと大地が呟いた。
二年のクラスは、Aクラスが大地、Bクラスがあたしと冬也、Cクラスに奈津と明希…という、大地だけ一人になっていた。
「なんだよ、大地がそんな事言うだなんて珍しい。」
明希が大地の肩をバシバシ叩く。
他の四人はそんな大地をジッと見つめる。
「A組楽しそうなのにねぇ、」
普段あまり感情を口にしない大地が突然言い出すもんだから、みんなビックリしているんだと思う。
あたしの呟きに返してくれる人はいない。
「クラスに誰かいないと夕飯のメニュー聞けねぇじゃねぇか。」
……………あ、そこ。
「結局お前は、夕飯の話がしたいだけだろ。」
夕飯担当の冬也がつっこむ。
「そんなわけ………ない。」
「その間はなんだよ、その間は!」
「大地は食いしん坊だからな。
さてと、夕飯の材料を買いにスーパー寄るぞ。」