あかいもの。




「波瑠っ!?波瑠!?」





耳元で声がする。






「ん…っ」






聞き覚えのある声に呼ばれて、あたしは目をあける。







「あー、やっと起きたー。あんたうなされてたのよ?」





大量の光がとても眩しい。





そしてその光を遮るように大きな顔が目の前に現れた。





「ちょっと、聞いてるの?」





「え、あ。聞いてる。」






しかめっ面で私の顔を覗き込んできたのは、私の親友、奈津。



今日も金色の長い髪が、輝いている。






「ちょっと何考えてるのか知らないけど、さっさと、仕度しなさいよ。

今日から学校でしょ?」




あ、そうそう。

今日から学校・・・・・。





「今日から学校!?」








奈津の言葉にはっとする。








そうだ、春休みはもう終わったのだ。





なんてこったい。







時計を見れば8時を指している。






やばいぞこれは。





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