あかいもの。
「あー、おわった〜。」
家に5人もいれば、こんなにも茶碗がたまるものなのかとあたしは思い知る。
「お、わるいな。いつもやってもらって。」
リビングで本を読んでいた冬也が、あたしにいう。
「ううん、いいよ。」
料理に洗濯に率先してやってくれる冬也にあたしたちは頭が上がらない。
だからせめてものお返しで茶碗を洗ったまでだ。
あたしは長い金髪をクルクルしながら、ソファーで寝ている波瑠を見る。
あたしとは違う、肩まである真っ暗な髪をボサボサにしながら気持ちよさそうに寝ている。
「お前たちは波瑠と一緒に暮らしてもらう。」
あの人が何を思ってあんなことを言ったのか、あたしたち4人はなんとなく分かっている。
『その子を守って。』
そういうことだと思うの。
ねえ、違うのかしら。