あかいもの。
「おっちゃーん!スプーン5本くださーい!」
昼休みの後半、売店には人が少ない。
「ありゃ、入れ忘れてたかい?」
スムーズに売店のおじちゃんに話しかけることができた。
「うん。入ってなかったよ。」
「そうか。 悪かったな。 また買いにこいよ〜。」
叫ぶおじちゃんに、はいよー!と返す。
早く行かないと、(冬也はともかくとして)あの集団がおやつを前に『待て』が出来るとは思えない。
「いそげいそげ‥‥。」
あたしは気づかなかった。
この時、見られているなんて。
まさかここまで追いかけて来ているなんて。