あかいもの。
「宮田先輩っすよねー?」
カフェに行ったあの日から数日後。
学校の購買。
そこであたしはいつものようにおじちゃんのプリンを買っていた‥‥はずなんだけど。
「初めまして! 俺は一年生の山本 千春っていいます! ちーちゃんって呼んでください!」
何故か一年生に絡まれている。
「あ、えっと。山本くん? 」
「あーちがう! ちーちゃんって呼んでくださいよ!!」
びっくりしつつも出した声は遮られてしまった。
ていうか誰だ。なんだお前。
目の前の彼は小柄でオレンジ色の髪。
前髪はちょんまげに結んでいてなんだか、イメージうさぎ。
全く知らない人。
「俺、前々から大地さんたちと、一緒にいる宮田先輩を見ていたんですよ!その頃から知ってるんっすよ!」
確かに大地たちといるときは目立ってしまうんだけど、こんな声のかけられ方があるとはびっくりだ。