あかいもの。
「響は小三。理人は年長さんだ。」
奈津に会えたのがうれしいのか、二人はとてもニコニコしている。
「はじめまして。ひびきです。」
「はじれまして。りひとでしゅ。」
しっかりした印象の響くんと、うまく呂律が回っていない理人くん。
二人とも顔が似ている。
「奈津に会いたくてここまで来たのか?」
大地が不思議そうに見る。
「うん!なっちゃんに会いに来たの。」
響くんが元気よく答える。
二人とも目鼻立ちがくっきりして、将来絶対美形になる顔だ。
それにしても、奈津にこんな家族がいたなんて。
「オレンジジュースでいいか?」
「うん、ありがとう。」
響くんと理人くんが行儀よく茣蓙《ござ》に座り、その周りにあたしたちが座る。