あかいもの。



「てかさ、響。理人。あんたたちお母さんにちゃんと伝えた?


あたしの所に来てるって。」




響くんと理人くんが来てから数時間が経つ。



当たり前に二人と遊んでいたけど、家の人に連絡してないとなると、大事件だ。




「え、まさか言ってないの?」



何も言わない二人に対して、奈津が大声を出す。




「あちゃーまじなの。それちょっとマズいよ〜。」


慌てて携帯で連絡をする奈津に申し訳なさそうに目を伏せる響くん。




「ねぇ、響くん。理人くん。どうして二人ともお母さんたちに黙って出てきたの?」



あたしは二人の前に屈み、覗き込む。


伏せられた長いまつげが、ピクピクと動いている。




「だって、ママがね。」

「ママがどうしたの?」



響くんが言いにくそうに、あたしを見る。



奈津は廊下で実家の方に連絡をしているみたいだ。





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