あかいもの。
「よー。寝坊娘。」
隣にどかっと座ってくるのはどこか王様気取りの明希。
長い足がとても邪魔。
「お前はよ、いつまで経っても寝坊ばっかだなぁ。」
「うるさいなぁ。ほっといてよ。」
明希に文句をいいつつ、冬也の作ったご飯を急いで食べる。
流石に始業式当日に遅刻ってのはまずい。
「ごちそーさまっ!!」
「もう食べ終わった? もう少しゆっくりでもいいのに。」
あぁ、冬也くん。
あなたはなんて優しい人なの。
「そうやって、冬也が波瑠を甘やかすからいつも、俺らが遅刻する。」
「ま、まぁな。」
ボソッっと聞き捨てならない言葉が飛んでくる。
それに納得する冬也。
とても不憫である。