あかいもの。
「トップがいるいらねぇじゃなくてな。一年をどうまとめるか。なんだよな?」
「俺たちの知ったこっちゃねぇ。」
大地は全くトップになる気はないらしい。
まぁあたしも正直一年生がどうこう知ったこっちゃないけれど、他校の人に迷惑がかかるとなると話は別だと思う。
新しく出来たこの学校の評判が下がっても困るし。
「大地、やんなよ。」
あたしの目線の先には、重圧的なオーラを纏う大地がいる。
そして大地はゆっくりとあたしの方を向く。
「なんだ波瑠。どうしたんだ急に。」
「どうしたもこうしたもないよ。 この学校でトップに相応しいのは大地しかいないと思う。それに大変だったらあたしたちも手伝うし。てか、一緒に支えるし。」
心底不思議そうにあたしを見る大地。
多分だけど、あたしがこんなことを言うのが珍しいから不思議がってるんだと思う。
だけど、これはあたしの願い。
心からの純粋な願い。
「お願い。トップに立ってよ。」
もう、あんなの嫌だから。
あんな嫌な役、本当はあたしが変わってあげたい。
汚れ役を大地にやらせたくはない。
だけど、
「大地しか適役はいないよ。」