あかいもの。





「おまたせーっ!!」





あたしはさっと玄関の鍵をかけ、皆の元へ駆けつける。






「・・・遅い。」






す、すみません。






あれから二十分ほど経ち中々支度が終わらないあたしを四人はずっと待って居てくれた。




あたしたち五人はみんな同じ高校。





私立星宮高等学校。




そこに通うあたしたちは今日で2年生になる。







「そもそもさー、今日って入学式なんだろ?


なんで2年の俺らが行かなきゃなんねーんだよ。」






道端の小石を蹴りながら明希が文句を言う。




まー、そりゃあたしだってそう思うけど。







「仕方ないだろ。在校生代表がいないと式になんないんだよ。」







星宮高校は去年出来たばかりの新しい高校。




三年生は編入で入ってきて人数は少なく、二年生はまぁそこそこいるけれど、それでも他の学校には満たない。





だから、今日は在校生全員登校日。





普通の高校じゃ、休みの所を在校生代表が必要と言う理由で二年生は全員駆り出されるのだ。





< 6 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop