あかいもの。
「あたし、こんな髪で式に出て大丈夫なのかな?」
あたしたち四人より一歩前を行く奈津が、長い金髪を指先でクルクルしながら、あたしたちに目を向ける。
奈津の髪の毛は染めているにも関わらずとても綺麗。
前髪を上にあげ、後ろ髪を流しているのがいつものスタイルで、どこにいても後ろ姿で大体分かる。
「言い訳ないだろ。
俺と波瑠と大地はなんとかなったとして、お前と明希は完璧アウトだ。」
はぁ~、と。
冬也が長いため息をつく。
正直なとこ冬也がいつハゲてしまうかとあたしは心配で仕方がない。
奈津や明希が無茶をした時、必ず抑えるのは冬也の役目。
あたしと大地はただ見ているだけなのだ。