あかいもの。
「まーそーなったら二人でどっかいっとこーぜ。千奈津ちゃんよー。」
ドカッと明希が奈津の肩に腕を乗せる。
「おめー重いんだっつの!!さっさとどきやがれ。」
「おーおー、奈津ちゃん。
女の子がそんな怖い言葉使っちゃだめよ?」
奈津の絶対零度の視線を無視し、明希はマイペースに進んで行く。
「あーもー朝からうるさいなぁ。
もうちょっと静かにあるけないの?」
目の前で争う二人にあたしは口を挟む。
「朝から寝坊してたくせに。」
「そうだそうだー!」
「あたしは別にしたくて寝坊してるんじゃないしー!」
言い返してきた二人に私はさらに言い返す。
「はぁ~。」
冬也の深いため息が聞こえる。
…毎回毎回、悪いなぁ。