愛された先パイ
☆☆☆
放課後。
「リク先パイ!」
「ヒヨコちゃん」
運良く、アツシはいない。
ヒヨコちゃん、アツシのこと苦手みたいだからね。
良かったよ。
「今からお帰りですか?」
「うん、ヒヨコちゃんも?」
「はい!
良ければ、一緒に帰りませんか?」
「良いよ」
俺が返事したところで、校舎内から同じクラスの女子が押し寄せてきた。
「リクっ!」
「今から帰り?」
「一緒に帰らない?」
「ってか、カラオケ行こうよ」
そんなに一気に言われてもねぇ。
しかも、
「ごめんね、皆」
ヒヨコちゃんと帰るし。