愛された先パイ






今日も俺が校門を通っただけで、「おはよう」の大合唱。

目の前の道が開け、俺はそこを通る。

毎朝見られる光景。



「おはようございます、リク先輩」

「おはよう」

「成島くん、ここわからないんだけど・・・」

「ん?どこ?」

「おはようリク!」

「ん?おはよう」



こんな風に、俺が話さない日なんてない。

常に周りには、学年関係なく女子と男子が溢れかえっている。



「・・・って感じで解くんだよ」

「なるほど!
ありがとう成島くん!」

「いえいえ。
何かあったら、また呼んでね」



にこりと微笑むと、皆して顔真っ赤にして倒れる始末。

男女関係ないから、俺は驚く。



「相変わらずモテるなぁリクは」

「アツシ」



唯一顔を真っ赤にせず倒れないのは、

俺の幼馴染、

今井温志(いまい・あつし)。


他校に彼女がいて、

凄く仲が良い。







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