愛された先パイ
あたしは真相を確かめるべく、お姉ちゃんの元へ行った。
お姉ちゃんは先輩と同じクラスだから。
「お姉ちゃん!」
「友衣奈。どうしたの」
「先輩に彼氏いるって本当?」
「・・・」
お姉ちゃんは気まずそうにあたしから目線を外す。
「・・・さっき、言われたの」
「お姉ちゃんが!?」
「うん・・・」
「名前は!?」
あんなかっこいい先輩の彼女だ。
釣り合えないほど不細工な女じゃ、許せない。
「・・・確か・・・・ヒヨコって、言ってたわ」
「ヒヨコ・・・?」
天使さん!?
あたしはお姉ちゃんの止める声を聞かずに、クラスへ戻った。
教室へ入ると、多くの女子があたしに集まってきた。
「先輩に彼女いるって本当?」と聞いてくる。
あたしは無視して、教室の隅で本を読む天使さんの元へ行った。