愛された先パイ
6
☆リクside☆
ある朝のことだった。
俺は朝食のパンを食べながら、テレビを見ていた。
『続いてのニュースです。
昨夜、市内の空き地で、2人の少女の遺体が見つかりました。
少女は木の枝に首を縄状のものでくくりつけ、亡くなっていました。
自殺と警察は判断をしました。
亡くなったのは市内の高校に通う2年生・有明友美恵さん。
それに同じ高校に通う1年生で友美恵さんの妹・有明友衣奈さんと判明いたしました。
2人はとても仲の良い姉妹で、警察は自殺の原因を調べています』
有明姉妹が亡くなった・・・?
「リク。最近物騒ねぇ」
「そうだね・・・」
母さんがお皿を片付けながら呟く。
「この間も生徒会長さんが亡くなったんでしょう?」
「母さんは知っているの?
梓さんの死因」
「この姉妹と同じ自殺らしいわよ。
しかも同じ場所じゃないの」
テレビに映る場所は、小さな空地。
人通りも少なく、防犯カメラもない。
空地には目立つ大きな木があり、梓さんも有明姉妹も、その木の枝に首をつって亡くなったらしい。
目立つ外傷もなく、警察は自殺と判断した。