愛された先パイ







「リクもヒヨコちゃんも気を付けなさいね?」

「わかった」

「心配だから、ヒヨコちゃんたまには家に来るよう言いなさい?」

「良いの?」

「ヒヨコちゃん可愛らしいから、何かあったら心配だわ。
最近は起こらないけど、通り魔事件もあったんだから」

「そうだね・・・」

「リクは彼氏なんだから。
ヒヨコちゃんを守ってあげなさい」

「ありがとう、母さん。
じゃあ俺、そろそろ行くわ。
最近、ヒヨコと一緒に学校行っているから」

「それが良いわよ」



にこりと母さんが笑うのを見て、俺は立ち上がる。



「・・・リク」

「何?」

「わたしも父さんも、リクとヒヨコちゃんの味方よ。
何かあったらすぐに言って?
・・・守ってあげるわね・・・・・?」

「うん、ありがとう母さん。
父さんと母さんには、いつも助かるね。
ヒヨコもお礼を言っていたよ?」



俺も笑い返して、家を出た。

そのまま学校と逆方向へ向かい、ヒヨコの家へ向かう。



ヒヨコの家は、俺の家から近い、普通の一軒家。

両親と姉と暮らしているが、現在両親も姉も仕事で海外に行っているため、この大きな家に、ヒヨコは独りぼっちで暮らしている。



「リク!」

「ヒヨコ、おはよう」

「おはよう、リク」







< 41 / 80 >

この作品をシェア

pagetop