愛された先パイ
「リクもヒヨコちゃんも気を付けなさいね?」
「わかった」
「心配だから、ヒヨコちゃんたまには家に来るよう言いなさい?」
「良いの?」
「ヒヨコちゃん可愛らしいから、何かあったら心配だわ。
最近は起こらないけど、通り魔事件もあったんだから」
「そうだね・・・」
「リクは彼氏なんだから。
ヒヨコちゃんを守ってあげなさい」
「ありがとう、母さん。
じゃあ俺、そろそろ行くわ。
最近、ヒヨコと一緒に学校行っているから」
「それが良いわよ」
にこりと母さんが笑うのを見て、俺は立ち上がる。
「・・・リク」
「何?」
「わたしも父さんも、リクとヒヨコちゃんの味方よ。
何かあったらすぐに言って?
・・・守ってあげるわね・・・・・?」
「うん、ありがとう母さん。
父さんと母さんには、いつも助かるね。
ヒヨコもお礼を言っていたよ?」
俺も笑い返して、家を出た。
そのまま学校と逆方向へ向かい、ヒヨコの家へ向かう。
ヒヨコの家は、俺の家から近い、普通の一軒家。
両親と姉と暮らしているが、現在両親も姉も仕事で海外に行っているため、この大きな家に、ヒヨコは独りぼっちで暮らしている。
「リク!」
「ヒヨコ、おはよう」
「おはよう、リク」