愛された先パイ
ヒヨコは震えながらも、小さく会釈をした。
良い子だな、ヒヨコ。
「天使雛です・・・」
「かあいいじゃぁん。
あたしぃ、気に入ったよぉ」
「おいおい美亜・・・。
変態発言するなよな?」
「わぁっているよぉ、アツシぃ」
何なんだ・・・この2人。
っていうか、この鹿野美亜の話し方、かなりイラつく。
「じゃあ、行こうか」
俺は鹿野美亜からヒヨコを離すように、歩き始める。
しかし、空いている左手を、掴まれた。
「あたしぃ、気に入ったよぉ。
たまには交換しないぃ?」
はあ!?
「変なこと言うなよ。
俺はヒヨコにしか興味ねぇし。
お前みたいないかにも馬鹿そうな奴、嫌いだよ」
「・・・えぇ!?」
「ちょっ・・・リク!?
おまっ、俺の彼女に何言っているわけ!?」
「それは俺の台詞だよアツシ。
今日は俺とヒヨコ、アツシとその馬鹿女のダブルデートだろ?
それなのに交換しようなんて・・・マジあり得ねぇ。
アツシ、お前本当にこいつに愛されてんのか?」