愛された先パイ
俺が再び席に座り、ニヤリと笑うと。
アツシは怯えたような表情で、自分の席へと戻って行った。
・・・馬鹿な奴。
怯えるなら、最初から俺に関わるなよな?
「せ~ん~ぱ~い~!」
廊下から聞こえた、愛しき声。
「ヒヨコっ!」
その愛しき声に答えるため、俺は廊下へ行った。
そしてそのまま、思い切り抱きしめた。
「やだなぁ先パイ。苦しいですよ」
「ヒヨコ・・・会いたかった」
「私もですよ、セ・ン・パ・イ」
「どこか行こうか。
このままサボっちゃう?」
「良いですねぇ」
2人手を取り合い、廊下を駆け出す。
「おい成島!
授業は受けないのか!!」
担任の声に、俺は振り向き、微笑んだ。
「あんな幼稚な授業に出て、何があるんですか?
それとも、俺に行ってほしくないんですか?」
「は?当たり前だろ」
「そうですか・・・」
俺は担任に近づき、耳元でアツシに言ったことと同じことを言う。
「ソンナニ、殺サレタイデスカ?」