愛された先パイ
☆☆☆
「ねぇ、リク」
「どうした、ヒヨコ」
ここはヒヨコの家。
あのまま荷物を持って無断早退した俺たち。
母さんに今頃電話が行くと思うけど。
あの母さんだ。
上手く言ってくれるだろう。
あの人、俺もヒヨコも溺愛しているからネ。
俺はヒヨコを壊さぬよう抱きしめながら、ヒヨコを見る。
ヒヨコは無断で立ち上がり、鍵のついたタンスを開けだした。
引き出しをタンスから外して、俺に見せてくる。
「・・・ヒヨコ」
「大好きなの、リクのこと。
だから・・・」
「大丈夫、心配しないで?
俺もヒヨコを愛しているからね」
「ありがとう・・・。
こんな私でも、愛してくれるのね?」
「勿論さ。
ヒヨコさえいれば・・・何もいらない」
「私も・・・」
大好き。
大好き。
愛している。
愛している。