愛された先パイ
話は遡ること11年前。
俺とリクは小学校1年生の6歳。
俺が在籍するクラスに、転入生が来た。
「成島凌空です。
よろしくお願いします」
にこっと優しく笑うリクは、すぐさまクラスメイトの人気者になった。
整った顔に、優しき笑顔。
人気者になるのに、時間はかからなかった。
「アツシ。リクくんよ」
数日後、俺は母親に言われた。
目の前にいるのは、まるで王子様のリク。
「よろしくねアツシくん」
「よろしくリクくん」
なんでも俺の母親とリクの母親同士が仲良くて。
父親同士も仲が良くて。
同じ1人っ子だった俺らは、まるで兄弟のように遊んだ。
あと、近所に住む、ミホという少女も一緒に。
元々は俺とミホが仲良かったけど。
ミホは次第にリクに惹かれていった。
「ワタシ、リクくんのお嫁さんになりたぁい」
「ボク、ミホちゃんのこと、守ってあげるからね」