愛された先パイ
ふらふらとリクの部屋へ向かうと、リクは子どものような無邪気な笑みを浮かべた。
「どうだった?」
「・・・おばさん、変わっているな」
元パリコレモデルだっていうのによ。
「変わっているっていうかね。
自分も昔同じことしたから、何も言えないんだと思うよ」
「同じこと・・・?」
「うん。
昔母さん、付き合っていた恋人殺したんだよ。
捕まらず、事故って判断されたんだって」
何なんだ・・・この親子は。
「母さん、モデルなんて本当はやりたくなかったんだ。
母さんの父さんが無理矢理母さんをモデルにするわ婚約者を用意するわで。
母さんは自由なんて知らなかった。
そんな母さんを救ったのが、父さん。
父さんは母さんを守るため、父親を殺し、母さんは婚約者を殺した。
頭良かったからねぇ、捕まらず事故ってなったみたい。
母さんの母さんは2人の結婚を許したから、俺ができたってわけ」
おばさんだけでなく・・・おじさんも!?
つまり、
リクの異常さは、
遺伝だったってことか!?
「内緒にしておいてねアツシ。
アツシだから言ったんだよ?
もし言ったら・・・
ワカッテイルヨネ??」