愛された先パイ









俺は頷くことしか出来なかった。




後日。

俺は夜遅く、リクに呼ばれた。

指定された場所は、人通りのない空地。

あの・・・有明姉妹と鹿野姉妹が亡くなった場所だ。




「どうしたんだよこんな遅くに」



腕時計の針は、12時を過ぎている。



「ゴメンネ。
アツシしか頼れなくてさぁ」



灯1つない夜中だから、どこにリクがいるかわからない。

声だけが聞こえる。



「リク?どこにいる?」

「木の下」



俺は木の下へと向かう。

目が少しずつ暗闇に慣れてきた。



「アツシ」



呼ばれて振り向くと、リクがにこにこ笑顔で立っていた。

しかしその顔や服には、血がついていた。

手には大きめの包丁が握られていた。







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