愛された先パイ
「・・・リク」
「わかった。教えるよ」
リクが教えてくれた、袋の中身。
俺の予想通りだった。
中身は死体で、クラスメイトの女子。
しつこく付きまとい、イライラしていたらしい。
「こんな遅くに悪いね」
「別に構わない。
それより、これを使え」
俺がリクにウェットティッシュを渡す。
夜遅くに来てほしいとメールを受け取った時点で、俺は死体埋めだと予想していた。
血まみれのリクを想像し、俺は持ってきておいたのだ。
「ありがとう」
子どものような笑顔でお礼を言うリクが、巷で話題となる連続殺人鬼だとは、誰も思うまい。
だってリクは眉目秀麗で、成績優秀で、非の打ち所がない、完璧な王子様なのだから。
リクを愛しているおばさんもおじさんも、リクを守る。
俺のことも守ってくれる。
だって俺は、
愛しているリクの、大切な友人なのだから。
「助かったよ。
またメールした時はお願いね?」
「ああ」
俺は俺を守るため、
これからも殺人鬼の力になるのだろう。