愛された先パイ
俺の話を聞いた丸山は、ふんわり微笑んだ。
「優しいんですね」
「そぅ?」
「成島くんのことを本気で大切にしていないと、そんな手伝いなんて出来ませんよ」
「本当は、止めてあげるべきだったんだけどね・・・。
リクのこと、本当に大切に思うのなら。
結局俺、自分のことしか大事に出来なかった。
自分が殺されるのが嫌だったんだよ」
「だからあたし、多分今井くんに惹かれたんですね」
丸山の言葉に、俺は思わず吹き出した。
「あんた、変わっているな。
この期に及んで俺が好きなわけ?」
「はいっ!」
「リク目当てじゃねぇよな?
大体俺に告白する奴、リク目当てだからさ」
「そんなんじゃありませんよー。
あたしは、友達思いの今井くんが好きなんですー」
「ふぅん・・・」
「信じてませんね?」
「うん」
「そ、即答しないでくださいよ・・・」
「ハハッ悪い悪い」
笑いながら、俺は綺麗な青空を見つめる。
幸せになれよ。
リク、ヒヨコちゃん・・・。