愛された先パイ
10~新しい未来へ~
☆☆☆
それから数年後。
「アツシ!」
「何だぁ?」
「早く行こうよぉ!」
「はいはい」
俺は子どもみたいにはしゃぐ亜美菜を追いかける。
車に乗り込み、目的地に向かう。
「やっぱり良いねぇ、木の良い香りがするよ」
「そうだな」
広々とした新築の我が家を見て、早速引越しの荷物の整理。
高校卒業後、俺は亜美菜と結婚した。
俺の両親も亜美菜の両親も承諾し、今日引っ越してきた。
亜美菜の腕には、小さな赤ん坊もいる。
勿論、俺と亜美菜の子ども。
男と女で、男は“優(すぐる)”。
女の方は“希海(のぞみ)”。
優の方がお兄ちゃんだ。