グレープフルーツを食べなさい
「ねえ、上村が新プロジェクトのメンバーに入ってるって本当?」
食事を終え、食器をキッチンまで運んでくれた上村に、私は食後の珈琲を手渡した。
「入ってますよ。俺の本社異動はそのためですし」
そう言ってカウンターの端にもたれ、上村はすぐさま珈琲を口に含む。
「そうだったんだ。随分上から目を掛けられてるのね」
「目を掛けてもらってるかどうかはわかんないけど、俺だってそれなりに努力はしてますよ」
上村に『努力』なんて言葉、全く似合わない。
でもそれは嘘ではないんだろう。
支社でのことはわからないけれど、外食部に異動してからの上村は本当によくやっていると思う。
その証拠に、今月は上村が外食部のトップを独走している。
「オアシス部での主な仕事はテナントの選定と出店交渉ですからね。外食部での仕事は勉強になるんですよ」
「確かに上村、今月頑張ってるもんね」
異動してきて早々あんな成績を出されたら、元からいた社員は堪らないだろうな。
私の知らないところで上村が一体どんな努力をしているのか、少しだけ興味が湧いてきた。
食事を終え、食器をキッチンまで運んでくれた上村に、私は食後の珈琲を手渡した。
「入ってますよ。俺の本社異動はそのためですし」
そう言ってカウンターの端にもたれ、上村はすぐさま珈琲を口に含む。
「そうだったんだ。随分上から目を掛けられてるのね」
「目を掛けてもらってるかどうかはわかんないけど、俺だってそれなりに努力はしてますよ」
上村に『努力』なんて言葉、全く似合わない。
でもそれは嘘ではないんだろう。
支社でのことはわからないけれど、外食部に異動してからの上村は本当によくやっていると思う。
その証拠に、今月は上村が外食部のトップを独走している。
「オアシス部での主な仕事はテナントの選定と出店交渉ですからね。外食部での仕事は勉強になるんですよ」
「確かに上村、今月頑張ってるもんね」
異動してきて早々あんな成績を出されたら、元からいた社員は堪らないだろうな。
私の知らないところで上村が一体どんな努力をしているのか、少しだけ興味が湧いてきた。