グレープフルーツを食べなさい
「いい加減にして」

 私は給湯室の入り口に立ち、うろたえる彼女達を睨みつけた。

 二人の後ろに、腕を組み壁にもたれて私を見据える美奈子がいた。その瞳からは何の表情も読み取れない。

「あなた達、姿が見えないと思ったらこんなところで優雅にコーヒー? さっさと業務に戻りなさい」

 彼女達の幼稚な考えに反吐が出る。私と部長の関係を疑うなんて、本当にどうかしているわ。

「あなた達、そのたくましい想像力をもっと仕事に活かしたら? 一人前に仕事も出来ないくせに文句ばっかり。ホントうんざりだわ」

 私の言葉に、美奈子がギリギリと唇を噛み締めた。

「悔しかったら仕事で見返しな――」


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