グレープフルーツを食べなさい
「うるさいっ!」

 ドン! と胸に強い衝撃が走った。私の言葉に激昂したのか、美奈子が私の胸を強く押したのだ。

 その衝撃に驚いてバランスを崩した私は、そのまま床に尻餅をついた。

「……痛たっ! 美奈子、なんてことするのよ!」

「うるさいわね!!」

 再び美奈子が私に向かって両腕を振り上げた。倒れたままの私に馬乗りになり、激しく肩を揺さ振ってくる。

「ちょっ……と、やめて! やめなさい美奈子!!」

「うるさいうるさいうるさい! 私だって、ちゃんと仕事してるわよっ!!」

「言われたことだけやるのが補佐の仕事じゃないわよ」


 いきなり乱暴にされたことも、美奈子の甘い考え方も本当に頭にくる。

 カッとなった私は、思わず自分の体に跨る美奈子を突き飛ばしていた。


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