グレープフルーツを食べなさい
「……そうなんですか、先輩」

「わ、私は……」

 上村の非難のこもった視線に射抜かれ、それ以上言葉を継ぐことが出来ない。美奈子は上村の腕に抱かれ、小さな子供のように泣きじゃくっている。

「とにかく、相良はしばらく医務室に連れて行きます。……先輩はちょっと頭冷やしてください」

 上村は美奈子の腰に手を添え立ち上がらせると、そのまま給湯室から出て行った。

 上村の態度、……まるで私のことを拒絶しているみたいだった。

 ショックで二人にかけるべき言葉も出てこない。

「……いい気味」

 突然取り巻きの一人がつかつかと私の方へと歩み寄ってきた。正面に立ち、冷めた目つきで私のことを睨み付けてくる。


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